臨床試験情報

臨床試験ID : jRCTs031180251
情報提供元 : jRCT(Japan Registry of Clinical Trials;臨床研究実施計画・研究概要公開システム)
試験名 : シスプラチン関連腎障害の予防を意図したマグネシウム補充療法のランダム化第II相臨床試験
試験の概要 : 本試験は、血清クレアチニンを指標としたシスプラチン関連腎障害の発生割合を、小児悪性腫瘍患者のシスプラチン治療に際してマグネシウム投与を行わない「非介入」群とマグネシウム投与を行う「介入」群の間で比較し、マグネシウムの腎保護効果を評価することを主たる目的とする。さらに、クレアチニン以外の各種パラメータを用いた腎障害の比較、各群における治療継続割合、マグネシウム製剤による有害事象の発生割合、腎毒性と血中マグネシウム濃度との関連を前向きに検討することを副次的目的とする。

基本情報       患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください

対象疾患名 初発の悪性腫瘍
試験のホームページURL

実施施設&進捗状況

試験実施施設 東京都立小児総合医療センター 埼玉県立小児医療センター 日本大学医学部附属板橋病院
試験のフェーズ 第Ⅱ相
試験進捗状況 募集終了
公開日・最終情報更新日 2022/4/20

試験に参加できる条件

年齢・性別 0 ~ 19歳 男女両方
選択基準 適格基準1) 初発の悪性腫瘍患者* (初発では手術のみで寛解し、再発になった場合も含む)2) 年齢20歳未満の患者3) シスプラチン(≧60 mg/m2/コース)を含む単剤または多剤併用化学療法を実施予定の患者※4) ECOG performance status (PS)スコアが0-2の患者5) 代諾者と16歳以上の本人から書面による同意が得られている患者* 初発患者または初発では手術のみの再発患者であれば、何コース目の治療であるかは問わない※ 化学療法の実施が妥当な臓器機能を有することを前提とする。シスプラチンの治療スケジュールは5日連日投与または1日投与(投与時間は問わない)とする。ただし、十分な観察を行うため、21日周期以上の間隔で行う化学療法レジメンのみを対象とする。
除外基準 1)マグネシウム製剤に過敏症のある患者2)積極的治療を要する心不全を合併している患者3)制御不能な重篤な感染症を合併している患者4)透析を施行している患者5)妊娠している、または妊娠の可能性のある患者6)担当医により当該臨床試験への参加が不適当であると判断された患者

問い合わせ先

実施責任組織 東京都立小児総合医療センター
問い合わせ先組織名 東京都立小児総合医療センター
部署名・担当者名 血液・腫瘍科 松井 基浩
電話・Email 042-300-5111 motohiro_matsui@tmhp.jp

評価&介入

試験の種類 該当無し
介入の目的 予防・検診・検査
介入の詳細 登録症例はランダムに2群に割り付けられる。同一症例内の治療コースは、以下のように交互に行うこととする。①登録時にA群に割り付けられた場合には、登録後の第1コースをA群で治療し、以後、偶数コースをB群、奇数コースをA群で治療する。②登録時にB群に割り付けられた場合には、登録後の第1コースをB群で治療し、以後、偶数コースをA群、奇数コースをB群で治療する。A群 (非介入群) の治療 (1)プロトコール治療基本的に、化学療法とそれに必要な支持療法を除き、医学的な介入を行わないのが本割付群のプロトコール治療である。(2)マグネシウム製剤の投与について特にマグネシウム製剤の投与は本臨床試験の評価項目に直接影響するため、以下の原則に従う。①血清マグネシウム値として1.5 mg/dL未満の低マグネシウム血症を認めた時にのみ、その改善を意図してマグネシウム製剤の投与を行うことが許容される。②これは参加医療機関の定めた方法により行うが、シスプラチンの投与開始前日に終了しておかなければならない。さらなるマグネシウム補充の必要性が判明した場合には、シスプラチンの投与終了を待って実施する。③実際に行ったマグネシウム補充の内容と期間は症例報告書に記載して報告する。B群(介入群)の治療(1)プロトコール治療シスプラチンを用いた単剤または併用化学療法において、以下に記載する静注用硫酸マグネシウム製剤の補充を、シスプラチン投与前12時間以上前からシスプラチン投与終了後24時間以上後まで継続することが、本割付群のプロトコール治療である。(2)投与量硫酸マグネシウム 15 mEq/m2/日(誤差許容範囲10%:13.5-16.5 mEq/m2/日とする)(3)投与方法上記を生理食塩水や、マグネシウムを含まない初期輸液製剤に混じて、持続点滴にて投与する。輸液速度は、シスプラチン投与中は、2400-3000 ml/m2/日で行う。なお、体表面積(m2) = √身長 (cm)×体重 (kg) /3600 で計算する。実際的には、症例の体格にかかわらず、生理食塩水(または他の輸液)500 ml+硫酸マグネシウム 3ml の組成でメイン輸液を作成すると、流速の設定のみで、投与量の調整が可能である。輸液速度を調整して投与量の誤差を10%の許容範囲内とすること。※表の流速に関わらず、輸液速度を3000ml/m2に設定する場合は、Mg補充量が、13.5-16.5 mEq/m2/日になるよう計算して硫酸マグネシウム混注量を算出すること。シスプラチンを投与していない間の輸液速度は施設の方法に任せるが、その際も硫酸マグネシウムの1日投与量が上記許容範囲内になるよう、輸液組成と輸液速度を調整すること。(4)投与期間シスプラチン投与12時間以上前から開始し、シスプラチンの投与完了後、24時間以上が経過するまで継続する。化学療法スケジュールは、シスプラチン5日連日投与レジメンと1日投与レジメンのいずれかとなる。マグネシウム投与の開始時間、終了時間の許容範囲は設定しないが、正確な開始時間と終了時間を症例報告書に記載する。
主要な評価項目・方法 血清クレアチニン値がシスプラチン投与後に投与前の1.5倍以上に上昇する治療コースの割合
副次的な評価項目・方法 ①血清シスタチンC値、尿中β2マイクログロブリン/Cre、尿中L-FABP/Cre、尿中NAG/Cre、尿中NGALの各値を指標としたシスプラチン投与後の腎障害の発生割合②血清シスタチンC値、尿中β2マイクログロブリン/Cre、尿中L-FABP/Cre、尿中NAG/Cre、尿中NGALの各値のシスプラチン投与前と比べた投与後の変化(群間比較)③シスプラチン投与前後の血清マグネシウム値の変化(群間比較)④腎障害に起因するイベント(次治療コースの開始遅延/減量またはレジメン変更)の割合⑤有害事象の発生割合

よりよい情報提供を行うために、ご協力をお願いいたします。

このサイトについて | サイトマップ | お問い合わせ

(c) 国立研究開発法人国立がん研究センター