臨床試験ID | : | jRCT2031220738 |
情報提供元 | : | jRCT(Japan Registry of Clinical Trials;臨床研究実施計画・研究概要公開システム) |
試験名 | : | 治療歴のあるKRAS G12D変異陽性の局所進行性又は転移性固形がん患者を対象としたASP3082の第1相試験 |
試験の概要 | : | この治験に参加できるのは,KRAS遺伝子に変化が起こった(G12D変異)局所進行性又は転移性の成人の固形がん患者さんです。転移性とはがんが身体の他の部分に広がっていることを意味します。この治験に参加できる患者さんは,現在利用できるすべての標準療法を既に受けたことがある,又はそれらの治療法を受けることを希望されていない方となります。この治験の主な目的は2つあります。1つ目は,さまざまな用量のASP3082を単独又は一般的な抗がん剤のセツキシマブと一緒に投与した後に,特定の固形がん患者さんになんらかの医学的に好ましくない反応が起こるかどうかを確認することです。大腸がん患者さんのみASP3082とセツキシマブの併用投与を受けます。2つ目の目的は,将来の治験でASP3082単独又はセツキシマブと一緒に投与する場合の適切な用量を見つけることです。 |
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基本情報 患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください |
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対象疾患名 | 固形がん |
試験のホームページURL |
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実施施設&進捗状況 | |
試験実施施設 | アステラス製薬株式会社 |
試験のフェーズ | 第Ⅰ相 |
試験進捗状況 | 準備中 |
公開日・最終情報更新日 |
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試験に参加できる条件 | |
年齢・性別 | 問わない 男女両方 |
選択基準 | 1. Kirsten rat sarcoma viral oncogene homolog (KRAS) G12D変異陽性が確認された,局所進行性(切除不能)又は転移性固形がんを有する被験者で,標準治療歴があり,分子標的療法を継続してもそれ以上の臨床的ベネフィットは得られないと治験担当医師が判断した,既承認の標準治療に不適格である,既承認の標準治療を拒否した被験者は適格とする(前治療のレジメン数は問わない)。KRASの変異有無が不明の場合,プレスクリーニング/スクリーニング期間中に保存腫瘍組織検体を中央検査機関に送ることができる。ASP3082単剤療法の膵臓がん(PDAC)拡大コホート(dose-rangingを含む)では,被験者の全身化学療法歴(術後補助化学療法,術前補助化学療法又は維持療法を除く)は2次治療以下でなければならない。2. 最後の介入的治療後から治験薬投与開始前56日以内までの間に採取された腫瘍検体を,組織ブロック又は未染色連続スライド若しくは腫瘍生検(コア針生検又は切除生検)のいずれかにより提供することに同意している被験者。加えて治験実施スケジュールに示す投与期間中の腫瘍生検の検体を提供することにも同意している被験者。用量拡大コホートでは,被験者がベースラインの生検を受けられない場合,保存腫瘍組織検体(過去5年以内)が必要である(中国の安全性コホートには適用しない)。3. 固形がんの治療効果判定基準(RECIST) v1.1に基づく測定可能病変を少なくとも1つ有する被験者。過去に放射線が照射された部分に存在する病変は,その病変で病勢進行が認められた場合は測定可能とみなす。4. Eastern Cooperative Oncology Group (ECOG) performance statusが用量漸増コホートの場合は0,1又は2,用量拡大コホートの場合は0又は1の被験者。5. 前治療の抗腫瘍療法(免疫療法を含む)の最終投与から治験薬の投与開始までに21日又は5半減期のいずれか短い方の期間が経過している被験者。6. 放射線療法(定位放射線手術を含む)が完了してから治験薬の投与開始までに14日以上経過している被験者。放射線関連毒性が全て回復しており,コルチコステロイドを必要とせず(注:ヒドロコルチゾン又は同等品の生理的補充量[定義:ヒドロコルチゾン30 mg/日以下,デキサメタゾン2 mg/日又はプレドニゾン10 mg/日以下]は許容される),放射線肺臓炎を発症していない被験者。非中枢神経系(CNS)病変に対する症状緩和のための放射線照射(2週間以下の放射線療法)は,1週間のウォッシュアウト期間を設ければ許容される。7. 治験薬の投与開始前14日以内に前治療による有害事象(脱毛症を除く)がGrade 1又はベースラインまで回復している被験者。8. 治験実施計画書に既定の臨床検査値により,十分な臓器機能を有することが示されている被験者(被験者が最近輸血を受けている場合,輸血後14日以上経過してから臨床検査を行わなければならない)。9. 女性被験者の場合,妊娠していないことが妊娠検査及び問診による医学的評価で確認されており,以下の条件のうち少なくとも1つに該当する被験者。a. 妊娠可能な女性(WOCBP)ではないことb. 同意取得時点から治験薬投与後,少なくとも6カ月間まで避妊ガイダンスに従うことに同意したWOCBP10. 女性被験者の場合,スクリーニング期間,治験期間及び治験薬投与後6カ月間に授乳を行わないことに同意している被験者。11. 女性被験者の場合,最初の治験薬投与開始時から治験期間全般及び治験薬投与後,6カ月間に卵子提供を行わないことに同意している被験者。12. 妊娠の可能性がある女性パートナー(授乳期間中のパートナーを含む)のいる男性被験者は,治験期間全般及び治験薬投与後3カ月間にわたり避妊法を使用することに同意している被験者。13. 男性被験者は,治験期間中並びに治験薬投与後3カ月間にわたり精子提供をしないことに同意している被験者。14. 妊娠中のパートナーがいる男性被験者は,治験期間中及び治験薬投与後3カ月間内の妊娠期間中にわたり,性行為をしないかコンドームを使用することに同意している被験者。15. 治験薬を投与している間,他の介入試験に参加しないことに同意している被験者(他の介入臨床試験の追跡調査期間中の被験者は許容される)。 |
除外基準 | 1. 治験薬投与開始前の21日又は5半減期のいずれか短い方の期間内に他の治験の治療を受けた被験者。2. 症候性又は未治療のCNS転移を有する被験者。既治療の無症候性のCNS転移を有する被験者は適格とする。3. 現在のがんの症状として軟膜病変を有する被験者。4. 過去2年以内に活動性(治療又は介入を要する)のがんの既往を有する被験者。ただし,限局性の治癒可能ながんで明らかに治癒した場合(基底細胞皮膚がん又は扁平上皮細胞皮膚がん,表在性膀胱がん,子宮頸部及び乳房の上皮内がん等)を除く。5. ASP3082又はASP3082に用いられている成分に対して過敏症を有することがわかっている又は疑われる被験者。6. 活動性のB型肝炎(HBV)(急性HBV,慢性HBVを含む)又はC型肝炎(HCV)(定性検査でリボ核酸[RNA]が検出されている)を有する被験者。HCV抗体検査が陰性の被験者の場合はHCV RNA検査は不要である。7. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の既往歴が判明している被験者。HIV検査は,各国規制当局により定められていない限り,実施する必要はない。8. 治験薬投与開始前6カ月以内に心筋梗塞又は不安定狭心症を発症したか,直近でコントロール不良の疾患(症候性のうっ血性心不全,臨床的に重大な心疾患,不安定狭心症,不整脈,心臓ペースメーカーの使用必須,QT延長症候群を含むがこれらに限らない)を有する被験者。9. スクリーニング時のFridericia法を用いて補正したQT間隔(QTcF)(心電図[ECG]の1回測定)が450 milliseconds(msec)超(男性)又は470 msec超(女性)の被験者。10. KRAS G12D特異的な阻害薬/分解誘導剤又はKRAS G12Dを標的とするpan-RAS阻害薬/分解誘導剤による治療歴のある被験者。ASP3082併用療法コホートでは,KRAS G12D阻害薬/分解誘導剤による治療歴のある被験者も適格とする。11. 治験薬投与開始前14日以内に抗生物質の静脈内投与を要する活動性感染が認められた被験者。12. 試験治療中に新たな抗腫瘍療法が必要になると予想される被験者。13. 治験参加に適さない状態(例えば精神疾患/治験の要件の遵守を制約するような社会的状況等)にあると判断された被験者。14. 試験治療開始前4週間以内のCOVID-19のpolymerase chain reaction (PCR)検査陽性の既往歴が判明している被験者。15. 治験薬の初回投与前4週間以内に大手術を受けた被験者。結腸直腸がん(CRC)に対するASP3082併用療法1. セツキシマブの毒性又は不耐によりセツキシマブの投与を中止したことがある被験者。2. ステロイドの全身治療を要する間質性肺疾患の既往歴がある被験者。なお,肺感染又は放射線肺臓炎が回復した被験者は適格とする。 |
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問い合わせ先 | |
実施責任組織 | アステラス製薬株式会社 |
問い合わせ先組織名 | アステラス製薬株式会社 |
部署名・担当者名 | くすリ相談センター |
電話・Email | 0120-189-371 clinicaltrialregistration@astellas.com |
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評価&介入 | |
試験の種類 | 該当無し |
介入の目的 | 治療・ケア |
介入の詳細 | この治験は2つのパートから構成されています。・ASP3082用量漸増(パート1)少人数の患者さんからなる異なるグループに,低い用量から高い用量のASP3082を単独又はセツキシマブと一緒に投与します。・ASP3082用量拡大(パート2)少人数の患者さんからなる異なるグループに,パート1で決定した最も適切と考えられた用量のASP3082を単独又はセツキシマブと一緒に投与します。ASP3082とセツキシマブ(使用する場合)は,点滴で静脈から投与します。ASP3082の1つの治療サイクルは21日間です。セツキシマブは週1回投与します。治療によって起きた医学的に好ましくない反応が確認される,がんが進行する,他のがん治療を開始する,患者さんが治験の中止を希望する,又は患者さんが治験のために来院しなくなるまで,治療を続けます。 |
主要な評価項目・方法 | - 用量制限毒性(DLT)- 有害事象(AEs)- 重篤な有害事象(SAEs)- 臨床検査値- 標準12誘導心電図- バイタルサイン- 身体所見- ECOG performance statusスコア |
副次的な評価項目・方法 | - RECIST v1.1 に基づく客観的奏効率(ORR)- RECIST v1.1 に基づく奏効期間(DOR)- RECIST v1.1 に基づく病勢コントロール率(DCR)- 血漿中ASP3082 の薬物動態(PK)パラメータ:濃度時間曲線下面積(AUC),最高濃度(Cmax),反復投与時の投与直前の濃度(Ctrough),最高血中濃度到達時間(tmax)- 腫瘍検体中のKRAS G12Dレベルの変化 |