臨床試験情報

臨床試験ID : jRCT2021230015
情報提供元 : jRCT(Japan Registry of Clinical Trials;臨床研究実施計画・研究概要公開システム)
試験名 : アントラサイクリンが不適格なびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対する一次療法としてepcoritamab(GEN3013;DuoBody®-CD3×CD20)の単剤療法又はレナリドミド併用療法の有効性及び安全性を評価する非盲検、無作為化、多施設共同、国際共同、第II相試験
試験の概要 : 本試験の目的は、アントラサイクリンが不適格なDLBCL患者を対象に、epcoritamab単剤療法又はepcoritamab + レナリドミド併用療法の一次療法としての有効性及び安全性を評価することである。最大で約180例を2段階試験デザインに組み入れる。段階1は2つの群で構成され、各群に最大約40例が無作為化される。本試験以外でより最適なepcoritamabの代替的な投与レジメンが確認された場合、段階2の開始前に約40例を追加で段階1に組み入れることができる。その後、追加の60例を段階2に組み入れることが可能である。

基本情報       患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください

対象疾患名 DLBCLと新たに診断され、アントラサイクリンに不適格な患者
試験のホームページURL

実施施設&進捗状況

試験実施施設 Genmab US 名古屋医療センター 鹿児島大学病院 山形大学医学部附属病院 松山赤十字病院 国立がん研究センター東病院 九州大学病院 近畿大学病院
試験のフェーズ 第Ⅱ相
試験進捗状況 募集中
公開日・最終情報更新日

試験に参加できる条件

年齢・性別 20歳 ~ 男女両方
選択基準 • 以下の組織型に限定されるCD20+大細胞型リンパ腫と新たに診断されていなければならない[2016年の世界保健機関(WHO)分類に基づく]。○ DLBCL、NOS○ ダブルヒット又はトリプルヒットDLBCL(2016年のWHO分類に基づきMYC及びBCL2及び/又はBCL6の遺伝子再構成を有するHGBCL)○ T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)○ 濾胞性リンパ腫(FL)グレード3b• 以下の理由のいずれか又は両方から、アントラサイクリン含有療法/細胞傷害性化学療法に不適格である。○ 年齢が80歳以上○ 年齢が75歳以上で、アントラサイクリン含有療法/細胞傷害性化学療法の忍容性に負の影響を与える可能性のある重大な合併症/状態を有する(以下の1つ以上)。- 駆出率30%以上、50%未満を特徴とする心機能の低下- 中等度から重度の心臓弁膜症- 心毒性抗癌療法による治療歴(すなわち、アントラサイクリン曝露歴又は左胸部若しくは縦隔に対する放射線療法歴)- ベースラインのトロポニン上昇及び/又はベースラインのB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)若しくはN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)上昇- 患者が細胞傷害性治療に不適格となるその他の肺、肝臓、腎臓などの合併症• 免疫エフェクター細胞関連脳症(ICE)スコアが10点中8点以上である。• Ann Arbor病期II〜IVの疾患を有する。• ECOG PSが0、1又は2である(障害が現在のリンパ腫/DLBCLに起因し、組入れ前のスクリーニング期間中の期間前投与でECOG PSが2以下に改善した場合、ECOG PS 3を考慮することが可能)。• Lugano基準に基づき測定可能病変を有する。• ベースラインの血液検査に基づき、許容可能な臓器機能を有する。• 余命が2ヵ月超である。• 全ての被験者がepcoritamabの投与中及び治験薬の最終投与後12ヵ月間は献血しないことに同意しなければならない。また、男性被験者は、治験実施計画書に規定されている避妊法及び精子/精液の提供基準に同意しなければならない。• スクリーニング時に新鮮(望ましい)又は保存生検検体がなければならない。
除外基準 • 試験組入れ時に、活動性で臨床的に重大な細菌、ウイルス、真菌、マイコバクテリア、寄生虫又はその他による感染(新型コロナウイルス感染症を含む)が判明している。• 以下を含む重度の心血管疾患を有する(患者がアントラサイクリン含有療法/細胞傷害性化学療法を受けることが不可能となる、適格性基準の心血管疾患を除く)。o Epcoritamabの初回投与前6ヵ月以内の心筋梗塞o 心機能に関連する又は影響を及ぼす不安定な又はコントロール不良の疾患/状態(例:不安定狭心症、うっ血性心不全、New York Heart Associationの心機能分類クラスのIII又はIV)o 不整脈[有害事象共通用語規準(CTCAE)第5.0版のグレード3以上](注:ペースメーカー又は薬物療法でコントロールされている不整脈は許容される)o スクリーニング(ベースライン)時の12誘導心電図(ECG)所見で、Fridericia法による補正QT間隔(QTcF)> 470 mseco Epcoritamabの初回投与前6ヵ月以内の脳卒中又は頭蓋内出血• 規定の期間内に以下の治療法、治療薬又は手技のいずれかの曝露歴/投与歴/施行歴がある。o Epcoritamabの初回投与前4週間以内の大きな外科手術o Epcoritamabの初回投与前4週間以内又は半減期の5倍以内(いずれか早い方)の治験薬以外の抗悪性腫瘍薬(抗CD20モノクローナル抗体を除く)又はいずれかの治験薬o 自家造血幹細胞移植(HSCT)、CAR-T、同種幹細胞移植又は実質臓器の移植o Epcoritamabの投与開始前30日以内の生弱毒化ワクチンo Epcoritamabの初回投与予定日前28日以内の治験ワクチン(すなわち、実験的及び/又は未承認のSARS-CoV-2ワクチン接種及び療法は禁止とする)o Epcoritamabの初回投与予定日前28日以内の侵襲的な治験医療機器の使用• スクリーニング時の必須の脳磁気共鳴画像法/コンピューター断層撮影(MRI/CT)スキャン及び臨床的な必要性に応じて実施する腰椎穿刺により、中枢神経系(CNS)原発腫瘍又は既知のCNS病変若しくは頭蓋内病変が確認されている。• 抗てんかん療法を必要とする痙攣発作障害を有するか、同意説明文書の署名前6ヵ月以内に痙攣発作を経験している。• 組入れ診断以外の悪性腫瘍の既往歴又は現病歴を有する(治験実施計画書に規定の例外を除く)。• いずれかの治験薬に対する既知のアレルギー、過敏症若しくは不忍容性の既往又はその疑いがあるか、各国のサイトカイン放出症候群(CRS)管理ガイドラインに基づき、各国で使用可能な全ての抗サイトカイン療法に対して既知の禁忌の既往又はその疑いがある。• 活動性B型肝炎ウイルス(HBV)[DNAポリメラーゼ連鎖反応(PCR)陽性]若しくはC型肝炎ウイルス(HCV)(RNA PCR陽性)感染、現在のアルコール乱用又は肝硬変を有する。• 治療を必要とする活動性サイトメガロウイルス(CMV)感染(DNA PCR陽性)を有する。• 妊娠可能な女性である。• 治験実施計画書の生殖要件を遵守する能力のない男性である。• 経口投与薬を飲み込むことができないか、経口薬の吸収に影響する可能性のある胃腸障害を有する。• 治験実施計画書の規定に従って適切な血栓予防投与を受ける意思がない又はできない。• 活動性又は治療不十分の潜伏結核の疑いがある。• HIVの血清反応陽性歴が判明している。注:HIV検査は、各国の保健当局又は施設の基準で規定されている場合に限り、スクリーニング時に実施する必要がある。

問い合わせ先

実施責任組織 Genmab US
問い合わせ先組織名 ジェンマブ株式会社
部署名・担当者名 横山 絵理子
電話・Email 03-4494-8615 clinicaltrial-jp@genmab.com

評価&介入

試験の種類 該当無し
介入の目的 治療・ケア
介入の詳細 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)はB細胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)の最も一般的なサブタイプの1つであり、症例の30%から40%を占め(Susanibar-Adaniya and Barta, 2021)、発現率が上昇し続けている。米国では、2021年の新規NHL症例数は81,560例と推定され、約20,720例の患者がその疾患により死亡する(Cancer_Facts_&_Figures_2017)。DLBCLは高齢者の疾患とみなされ、診断時の年齢の中央値は約70歳である。新たに診断されたDLBCLに対しては、併用免疫化学療法による一次(1L)療法、すなわちR-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾン)が最適な治療法であった(NCCN, 2020)。このレジメンの有効性は高齢患者集団(60歳以上)で最初に確認され、初期の公表論文はほぼ20年前にさかのぼる(Coiffier et al., 2002)。それ以降、転帰の更なる改善を目指す様々な措置及びアプローチが現れ、疾患の発症原因に対する理解が劇的に進んだことも相まって、これらの措置及びアプローチが新規薬剤、最新の病期分類/リスク評価及び疾患モニタリングの導入に貢献してきた。医療機関ではアントラサイクリン含有レジメン + 抗CD20モノクローナル抗体(mAb)—特にR-CHOP—が依然として基本であるものの、ドキソルビシンは累積用量の増加に伴い心毒性(特にうっ血性心不全)のリスクが増大することで知られており、そのため、多くの高齢患者及び心毒性療法の忍容性に影響することが知られている合併症を有する患者では、こうしたレジメンの使用が制限されている。また、疾患生物学の理解が進んだにもかかわらず、合併症が治療選択肢及び/又は一般化された適用性に及ぼす影響については包括的なデータが限られており、代替的なフロントライン治療アプローチは大規模なシリーズで十分に検討されていない。そのため、高齢者及びアントラサイクリンが不適格な患者では依然として転帰が悪いほか、治療奏効率が低く、生存期間が短い。したがって、アントラサイクリンが不適格な集団は標準的な根治療法に不適格であることから、こうした集団では新たに診断されたDLBCLの治療が困難なままである。そのため、これらの患者に対して有効な新規治療法が必要とされている。Epcoritamabは、T細胞上のCD3と悪性B細胞上のCD20に同時結合するヒト化IgG1二重特異性抗体であり、T細胞の活性化及び細胞傷害活性を誘導し、標的リンパ腫細胞の細胞死を可能とする。通常の免疫グロブリンG1(IgG1)構造と、ヒトIgG1抗体に特徴的な生化学的特性を有する。前臨床所見には以下が含まれる:•In vitroでは、T細胞受容体(TCR)にコードされたT細胞の特異性とは無関係に、epcoritamabはCD20発現細胞の存在下でCD4+及びCD8+T細胞の強力な活性化及び細胞傷害活性を誘導した。•Ex vivoでは、抗CD20 mAbによる治療歴の有無にかかわらず、DLBCL患者及び濾胞性リンパ腫(FL)患者由来の腫瘍細胞に対して、epcoritamabは強力な細胞傷害を誘導した。•Epcoritamabは、カニクイザルの末梢血及びリンパ器官において顕著なB細胞の枯渇を誘導した。•前臨床データから、レナリドミドはepcoritamabによるT細胞媒介性の細胞死を増強する可能性が示唆されている。予備的データから、epcoritamabは管理可能な安全性プロファイルを有し、複数回の治療を受けたDLBCL患者又は低悪性度NHL患者における持続的な完全奏効(CR)を含め、臨床的に意味のある反応をもたらしたことが示されている(Hutchings et al., 2021)。レナリドミドは、腫瘍細胞増殖及び血管新生の抑制を介して直接的な抗悪性腫瘍活性を発揮する第2世代の免疫調節薬であり、その血管新生抑制作用はbFGF、VEGF及びTNF-αによる内皮細胞遊走の抑制を部分的に介している(Dredge et al., 2005)。また、レナリドミドはT細胞増殖を刺激しサイトカイン産生を調節することが知られているほか、ヒトのリンパ腫では、疾患生物学と関連するT細胞の免疫シナプス機能障害を修復することでT細胞の機能を調節することが確認されている。さらに、再発/難治性(R/R)DLCBLを対象とした最近の第II相試験では、レナリドミドがナチュラルキラー細胞及びマクロファージを含むアクセサリー免疫細胞の活性を強化する能力が明らかになった(Salles et al., 2020)(Gribben et al., 2015)。レナリドミドは、フロントライン治療においてDLBCLの転帰を更に改善する試みにおいて、R-CHOPとの併用でも使用されている(Castellino et al., 2018)(Nowakowski et al., 2015)。レナリドミドは、mAb、プロテアソーム阻害剤、幹細胞移植などの複数の治療法との併用で、反応を安全に改善し、許容可能な安全性プロファイルを有することが示されている(Dimopoulos et al., 2016)(Durie et al., 2017)(Zimmerman, 2016)。また、進行中の第Ib/II相試験であるGCT3013-02試験では、投与群2(epcoritamab + リツキシマブ + レナリドミド)の予備的データから、epcoritamab + レナリドミドの併用療法は安全性プロファイルが管理可能で、かつ相加的又は重複毒性のないことが裏付けられている。本試験の目的は、アントラサイクリンが不適格な高齢のDLBCL患者を対象に、epcoritamab単剤療法又はepcoritamab + レナリドミド併用療法の1L療法としての有効性及び安全性を評価することである。
主要な評価項目・方法 Lugano基準に基づき判定した完全奏効(CR)率
副次的な評価項目・方法

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