臨床試験情報

臨床試験ID : UMIN000045305
情報提供元 : 大学病院医療情報ネットワーク研究センター
試験名 : アプリケーションを用いた治療やケアについての医師との協働意思決定支援に関する研究
試験の概要 : 本研究の目的は、進行・再発期のがん患者を対象に、モバイル電子端末を用いて個別の価値観や意向に添った治療とケアの協働意思決定支援を行うことにより、標準治療終了後の治療や療養を含めた話し合いを促進するかどうかを検証することである。

基本情報       患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください

対象疾患名 進行・再発期がん
試験のホームページURL

実施施設&進捗状況

試験実施施設 国立がん研究センター中央病院(東京都)
試験のフェーズ 該当せず
試験進捗状況 主たる結果の公表済み
公開日・最終情報更新日 2024/06/20

試験に参加できる条件

年齢・性別 20歳 ~ 男女両方
選択基準 1) 切除不能癌[UICC(国際対がん連合)stage III・IV、または再発のがん患者]2) 主治医により Surprise Question tool (Bernacki et al., 2019; Moss et al., 2010)を満たすと判断された3) 20歳以上4) PS:Performance status 0-2(0)まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。(1)肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。例:軽い家事、事務作業(2)歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。(3)限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。(4)全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす。5) 試験参加について本人から文書で同意が得られる6) 日本語の読み書き、理解ができる
除外基準 1) 主治医によりせん妄、認知症など重篤な認知機能の低下があると判断された 2) 推定予後が3か月以内 3) その他、主治医により本試験を実施するのに不適であると判断された 4) 症例登録時に他の心理支援・コミュニケーション支援のプロトコール介入期間中

問い合わせ先

実施責任組織 国立がん研究センターがん対策研究所
問い合わせ先組織名 国立がん研究センター
部署名・担当者名 支持療法開発部門
電話・Email 03-3547-5201 kobama@ncc.go.jp

評価&介入

試験の種類 該当無し
介入の目的 教育・カウンセリング・トレーニング
介入の詳細 介入:本研究の介入では、標準治療終了後の治療やケアに関する質問促進リスト(Question Prompt List, QPL)、価値観の整理、治療目標の整理で構成される協働意思決定支援プログラムをアプリケーション(アプリ)化し、患者自身がアプリを使用することで、病気や治療に対する質問の整理と、標準治療終了後の治療や療養に関する価値観や意向の整理を促す支援を実施する。 研究登録時に、協働意思決定プログラムの理解を促し、介入者との信頼関係を構築する目的で、介入者が患者にアプリについての概要や使用方法、今後のスケジュールについて説明する。 患者はモバイル端末上のアプリを次回診察までの間の好きな時間、好きな場所で実施する。 介入者は、患者のアプリ開始から次回診察までの間に、対面または電話にて、患者が医師に聞きたい質問や標準治療終了後の治療や過ごし方に関する意向を確認する。これは患者のアプリ実施状況により30分から1時間程度で行う。 患者は、介入者の対面や電話での面談を受けた後、医師との診察の際に、QPLを用いて整理した質問や標準治療終了後の療養に関する意向を共有する。
主要な評価項目・方法 アウトカム評価のタイミングはT0(ベースライン)、T1(ベースライン後1週間以降の診察)、T2(T1診察から1週間以降の診察)、T3(T1から12週後)、T4(T1から24週後)である。 本試験の主要評価項目は、T1時に取得するSHAREモデルを用いて測定した医師のコミュニケーション行動の評価のうち、Reassurance and Emotional supportのスコアである。 SHAREは概念的なコミュニケーションスキルモデルであり、S:Supportive environment(場の設定)、H:How to deliver bad news(悪い知らせの伝え方)、A:Additional information(患者のニーズに応じた追加の情報提供)、RE:Reassurance and Emotional support(安心感を与え共感的に対応する)、に分類される4つのサブスケールと26のアイテムで構成される。 Reassurance and Emotional supportは、医師の患者に安心感を与え、患者の感情に共感的に対応する行動(「患者の心配や懸念について尋ねる」「患者の気持ちをやわらげる言葉をかける」「価値観や大切にしていることを話し合う」など)の9項目を評価する(Fujimori et al.2014)。 外来診察時の医師との会話を音声で録音し、医師のコミュニケーション行動に対する第三者の印象を、0:まったくあてはまらない~4:とてもよくあてはまるの5段階で評価する。 スコアリングは、割付を盲検化した2名以上の評価者によって行われる。評価者はマニュアルを用いて会話分析のトレーニングを受け、評価者間および評価者内の一致を事前に確認する。
副次的な評価項目・方法 副次的評価項目 1. がん専門医のコミュニケーション行動: T1 訪問時の腫瘍医のコミュニケーション行動は、SHARE マニュアルの S、H、A サブスケールを用いて評価。 2. 参加者と腫瘍医とのコミュニケーション行動: 参加者と腫瘍医との会話を録音し、Roter interaction process analysis systemのコンピュータ版を用いて評価する、コミュニケーション行動の数。 3. ACPに関する会話数: 先行研究で作成した会話分析マニュアルに基づき評価する、診察時のACP(予後、緩和ケア、残りの抗がん剤治療、終末期治療、療養上の問題、将来への備え)に関する会話数。 4. 心理的苦痛: 全5回の受診時にHospital Anxiety and Depression Scaleを用いて取得。 5. 生活の質: European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire Core 30を用いてT0、T2、T3、T4で取得。 6. 参加者のケアゴールと最期を過ごすための希望場所: T0、T3、T4において、参加者の目標と最期を過ごしたい場所を評価。 7. 診察に対する参加者の満足度: T1時にPatients Satisfaction Quesionnaireを実施。 8. 介入の実現可能性: アプリの使い勝手、介入に要した時間、アプリのログ記録。 9. 医療利用状況: 6ヶ月後のフォローアップ時に各参加者の電子カルテから受けた医療を評価。 10.医学的・社会的背景: がんの種類、診断からの経過年数、年齢、性別、学歴、職歴、経済状態、配偶者の有無、世帯状況(子供や要介護者などと同居)、通院方法・時間、家族など付き添える人がいるか。

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