臨床試験情報

臨床試験ID : UMIN000036376
情報提供元 : 大学病院医療情報ネットワーク研究センター
試験名 : 前立腺ダ・ヴィンチ手術における経肺圧を用いた適正な換気設定の予備的な検討
試験の概要 : ロボット支援手術(ダ・ヴィンチ手術)は泌尿器科手術や婦人科手術のほか様々な領域の手術に応用されているが,とりわけ下腹部腹腔鏡手術では高度の頭低位とし,気腹を併用することから術中・術後の呼吸管理に注意を払う必要がある.頭低位の気腹手術で気道内圧をどのように制御すべきか,肺胞レベルでのストレスを評価しながら決めることはこれまでになかった. PEEPの決定法として,経肺圧を基準にPEEPを定める方法がARDSで注目されている.呼気終末時の気道内圧が胸腔内圧を下回ると,すなわち呼気終末時の経肺圧が0を下回ると肺胞はつぶれてしまう可能性がある(経肺圧=気道内圧-胸腔内圧).胸腔内圧は食道内圧で代用できる.気腹を行いかつ30度頭低位としたダ・ヴィンチ手術において胸腔内圧がどのようになっているかは不明で,胸腔内圧を調べ,経肺圧を基準にPEEPや吸気圧を設定することの意義は大いにあると思われる.経肺圧が0を上回れば肺胞は膨らむが経肺圧が0を下回ると虚脱する.この研究により,ダ・ヴィンチ手術のような気腹と強いトレンデレンブルク体位を比較的長時間保つ特殊な環境での気道内圧と食道内圧の関係から適正換気を追究する.またPEEPや頭低位がもたらす心拍出量や脳血流への影響も観察を行う.

基本情報       患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください

対象疾患名 次の項目を満たす患者を対象とする。 1.前立腺癌にてダ・ヴィンチ手術を予定している患者 2.年齢は問わない 3.ASA(American Society of Anesthesiologist)のRisk1ないしは2の患者 4.BMI35未満の患者 5.NYHAⅠ度、Hugh-JonesⅠの患者 6.同意書による同意が得られる。
試験のホームページURL

実施施設&進捗状況

試験実施施設
試験のフェーズ 該当せず
試験進捗状況 開始前
公開日・最終情報更新日 2022/04/03

試験に参加できる条件

年齢・性別 20歳 ~ 男
選択基準 次の項目を満たす患者を対象とする。 1.前立腺癌にてダ・ヴィンチ手術を予定している患者 2.年齢は問わない 3.ASA(American Society of Anesthesiologist)のRisk1ないしは2の患者 4.BMI35未満の患者 5.NYHAⅠ度、Hugh-JonesⅠの患者 6.同意書による同意が得られる。
除外基準 1.中枢神経疾患の既往 2.肺手術の既往、胸部CT上ブラなどの肺病変を認める患者、慢性肺疾患 3.心筋梗塞・心不全の既往、心房細動などの不整脈を有する患者 4.食道バルーンカテーテル挿入困難

問い合わせ先

実施責任組織 東京医科大学病院
問い合わせ先組織名 東京医科大学病院
部署名・担当者名 麻酔科学分野 小平
電話・Email 03-3342-6111 kodaami68@gmail.com

評価&介入

試験の種類 該当無し
介入の目的 治療・ケア
介入の詳細 10症例 期間 2019年3月4日-2019年12月31日 手術が開始してから30度頭低位とするまでは通常換気で管理し、30度頭低位・気腹開始となってからPEEPを0,5,10,15cmH2Oと30分おきに増加させ、モニター上に表記された終末呼気時の気道内圧、食道内圧を記録し、経肺圧を計算する。
主要な評価項目・方法 ・ 経肺圧(吸気プラトー、呼気終末時) ・ 気道内圧(最高気道内圧、吸気プラトー圧、平均気道内圧、 PEEP) ・ 食道内圧(最高、平均、呼気終末時) ・ P/F ratio
副次的な評価項目・方法 ・ 心拍数、動脈圧 ・ SpO2,ORI(oxygen reserve index:予備酸素摂量指数) ・ 動脈血液ガス(pH, PaO2, PaCO2, HCO3-,Hb) ・ 肺胸郭コンプライアンス([プラトー圧-PEEP]/TV) ・ 脳酸素飽和度(cerebral oxygen saturation):rSO2 ・ Vigileo monitor(Cardiac Output;CO, Stroke Volume; SV, Stroke Volume Variation;SVV)

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