臨床試験ID | : | UMIN000014751 |
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情報提供元 | : | 大学病院医療情報ネットワーク研究センター | |
試験名 | : | 全身麻酔下での手術後の呼吸機能について: 筋弛緩拮抗薬スガマデクスとネオスチグミンの非盲検比較研究 | |
試験の概要 | : | 手術の際には円滑に麻酔や手術操作を行うため、適度な筋弛緩を得ることが不可欠である。一部の全身麻酔薬は筋弛緩作用を有するが、麻酔薬のみでは十分な筋弛緩が得られないため、これらとは別に筋弛緩薬を用いる必要がある。筋弛緩薬として従来から多種が用いられてきたが、現在ではより作用発現が速く、効果の消失が迅速なロクロニウムが用いられることが多い。また手術終了後に、自発呼吸下で安定した呼吸状態を得るには筋弛緩薬の効果を拮抗する必要があるが、この目的では従来から抗コリンエステラーゼ薬であるネオスチグミンが用いられてきた。ネオスチグミンは神経筋接合部に存在する神経伝達物質である、アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの作用を阻害することによって筋弛緩作用を拮抗するが、効果発現が遅い上に不完全で、術後の呼吸器系合併症の原因となる可能性が指摘されてきた。また副交感神経刺激によって誘発される著しい徐脈を防止するため、その使用に際しては副交感神経遮断薬であるアトロピン等を併用投与する必要があり、これらによって生ずる循環変動は、虚血性心疾患等を有する症例においては看過し得ない副作用であった。 スガマデクスは新たに臨床使用が開始された筋弛緩拮抗薬で、血液中のロクロニウム分子を自身の分子構造内に取り込むこと(包接)によってその効果を発現するため、効果発現が迅速である上、より完全な筋弛緩作用の拮抗が可能である。従って術後の呼吸機能の回復がすぐれており、術後呼吸器合併症の減少に寄与することが期待される。筋弛緩拮抗薬の違いが術後の呼吸機能に及ぼす影響については、スガマデクスを用いた場合はネオスチグミンに比較して、一回換気量、分時換気量の回復が優れていることが動物実験で示されているが、ヒトにおいて筋弛緩拮抗薬の違いによる術後の呼吸機能を調べた研究はない。今回、腹部外科手術を受ける症例を対象に、ロクロニウムを筋弛緩薬として用い、手術終了後にスガマデクスまたはネオスチグミンを使用して筋弛緩効果を拮抗し、努力性肺活量、一秒量を術前値および両薬物投与群間で比較することにより、筋弛緩拮抗作用の有効性について検討する。 |
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基本情報 患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください |
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対象疾患名 | 腹腔鏡手術を受ける消化器外科患者 |
試験のホームページURL |
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実施施設&進捗状況 | |
試験実施施設 | |
試験のフェーズ | 該当せず |
試験進捗状況 | 限定募集中 |
公開日・最終情報更新日 | 2014/08/03 |
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試験に参加できる条件 | |
年齢・性別 | 20歳 ~ 男女両方 |
選択基準 | 腹腔鏡下に消化管手術を受ける患者 |
除外基準 | 1)喘息 2)不整脈 3)精神疾患、神経・筋疾患 4)虚血性心疾患および駆出率40%以下の低心機能 5)収縮期血圧が80 mmHg以下の低血圧 6)電解質異常 |
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問い合わせ先 | |
実施責任組織 | 大阪市立総合医療センター |
問い合わせ先組織名 | 大阪市立総合医療センター |
部署名・担当者名 | 麻酔科 嵐 大輔 |
電話・Email | 06-6929-1221 suzuka333phoenix@yahoo.co.jp |
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評価&介入 | |
試験の種類 | 該当無し |
介入の目的 | 治療・ケア |
介入の詳細 | ネオスチグミンの使用 |
主要な評価項目・方法 | 努力性肺活量の変化量(麻酔導入前、筋弛緩拮抗薬投与20分後) |
副次的な評価項目・方法 | 一秒量の変化量(麻酔導入前、筋弛緩拮抗薬投与20分後) |