臨床試験情報

臨床試験ID : JapicCTI-205300
情報提供元 : 一般財団法人日本医薬情報センター
試験名 : 治療歴のある成人GPC3発現固形がん患者を対象としたTAK-102の非盲検、用量漸増、第1相First-in-Human試験
試験の概要 : 一部の固形がんは健康な細胞や組織と異なり、グリピカン3(GPC3)というタンパク質を多く産生し、その成長に関与している。健康な細胞と組織はGPC3を生成しない。TAK-102はGCP3に付着し、機能を止める薬剤であることから、最終的にTAK-102 はGPC3発現固形がんへの治療となることが期待される。TAK-102は個々の被験者の白血球に転嫁される為、オーダーメイドである。本治験では、GPC3発現固形がん患者にTAK-102を追加された患者自身の白血球が投与される。本治験の主な目的は、TAK-102の投与による安全性の確認と、TAK-102の安全な用量を検討することである。別の治験でTAK-102を用いるための推奨用量を決定する。初回来院時に、本治験を担当する医師が被験者の治験参加可否を確認し、各被験者から白血球を採取する。白血球は研究機関に送られ、TAK-102が各被験者の白血球に加えられる。この調整には最大4週間を要す。その間、被験者は特定の治療を受ける。その後、被験者はTAK-102と自身の白血球をゆっくりと静脈注入される。被験者は低用量から高用量の3つの異なる用量コホートでTAK-102を投与される。この方法で、別の治験でTAK-102を用いるための推奨用量を決定する。被験者は治療のために28日間以上入院する。その後、最長36カ月目まで、定期健診のために来院する。

基本情報       患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください

対象疾患名 固形がん
試験のホームページURL

実施施設&進捗状況

試験実施施設 約2医療機関
試験のフェーズ 第Ⅰ相
試験進捗状況 実施中
公開日・最終情報更新日 2022/08/30

試験に参加できる条件

年齢・性別 問わない 男女両方
選択基準 1. 同意説明文書への署名の時点で18歳以上の男性又は女性の患者。2. 固形がんの診断を受けた患者。3. 標準的に行われる治療法に不応・不耐の固形がんを有する患者。4. 白血球アフェレーシス施行前に、治験依頼者が確認した検証済みのアッセイ、スコアリング及び染色法を用いたIHC により、腫瘍におけるGPC3 発現を各実施医療機関で確認された患者。5. 余命が12週間以上と判断される患者。6. ECOGのPerformance Statusが0又は1である患者。7. 以下に規定する臨床検査値によって臓器機能が適切であると確認された患者。a. 総ビリルビン値が基準値上限(ULN)の1.5倍未満。総ビリルビン値の上昇が肝臓の転移病変によるものと合理的に説明できる場合には、総ビリルビン値の上昇はULNの3倍まで許容する。b. アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)がULNの3倍未満。AST及びALT値の上昇が肝臓の転移病変によるものと合理的に説明できる場合には、AST及びALT値の上昇はULNの5倍まで許容する。c. クレアチニンクリアランス算出値が50 mL/分を超える(Cockcroft-Gault式による)。d. ヘモグロビンが8 g/dL以上。e. 好中球数が1,000 /mm^3超。f. リンパ球絶対数が500 /mm^3超。g. 血小板数が75,000 /mm^3超。h. プロトロンビン時間国際標準比が1.7以下。i. 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)がULNの1.5倍以下。8. RECIST 1.1の定義に基づき、放射線検査により測定可能病変を有すると判断された患者。9. 女性患者の場合、以下のいずれかを満たす患者:a. スクリーニング来院前に1年以上閉経している(他の医学的理由ではない自然無月経)。b. 避妊手術を受けている。c. 妊娠可能な女性患者は、同意説明文書への署名時からTAK-102投与後少なくとも12ヵ月間、ホルモン避妊法以外の有効性の高い避妊法1つ及び別の有効な(バリア式)避妊法1つを同時に講じることに同意する。d. 患者の望む普段のライフスタイルに合う場合は性交渉を完全に避けることに同意する。注:定期的な禁欲(例:月経周期、排卵、基礎体温、排卵後を考慮した避妊法)、膣外射精、殺精子剤のみの使用及び授乳性無月経は、避妊法とは認められない。10. 男性患者の場合、避妊手術(精管切除術)後であっても、以下のいずれかの条件を満たす患者:a. 同意説明文書への署名時からTAK-102投与後少なくとも12ヵ月間、有効なバリア避妊法を実践することに同意する。b. 患者の望む普段のライフスタイルに合う場合は性交渉を完全に避けることに同意する。注:定期的な禁欲(例:月経周期、排卵、基礎体温、排卵後を考慮した避妊法)、膣外射精、殺精子剤のみの使用及び授乳性無月経は、避妊法とは認められない。11. 治験に関連した手順(標準的な医療行為は除く)を実施する前に、将来の治療に不利益を被ることなく、いつでも同意を撤回できることを理解した上で、自由意思で文書による同意が得られる患者。12. 規定来院及び治験手順を遵守する意思及び能力のある患者。
除外基準 1. コントロール良好な慢性B型肝炎ウイルス(HBV)/C型肝炎ウイルス(HCV)感染を除く活動性全身感染、血液凝固異常、又は心血管系、呼吸器系若しくは免疫系を含むその他の重大疾患、心筋梗塞、不整脈及び閉塞性/拘束性肺疾患を有する患者。2. 不安定狭心症、臨床的に重要な不整脈、うっ血性心不全と定義される既知の心肺疾患を有する患者。コントロール良好な心房細動患者は除外対象とはならないが、コントロール不良の心房細動患者は除外対象となる。3. 本治験実施計画書に従った治療の完了の妨げになる可能性があると治験担当医師が判断するあらゆる重篤な医学的又は精神的疾患を有する患者。4. リンパ腫及び/又は白血病の兆候を有する患者。5. 白血球アフェレーシス施行前3 年以内に、他の悪性腫瘍と診断された又はこれらに対する治療を受けた患者。非黒色腫皮膚癌及び上皮内癌(子宮頸癌、膀胱癌、乳癌等)を有する患者は、適切な治療を受けていれば適格とする。6. IV投与による抗生物質を必要とする重篤な活動性感染症患者。7. ステロイドの全身投与又は吸入投与を必要とするあらゆる疾患を有する患者。8. 以前に何らかの細胞療法及び遺伝子治療を受けたことのある患者。9. 白血球アフェレーシス前14日以内又は前処置化学療法/TAK-102投与前28日以内に、他の治験薬(細胞療法又は遺伝子治療を除く)の投与を受けた患者。10. 白血球アフェレーシス前又は前処置化学療法/TAK-102投与前14日以内に、抗がん剤を使用する全身療法(プラチナ製剤を含む化学療法及びがん免疫療法を含む)を受けた患者。11. 白血球アフェレーシス前又は前処置化学療法/TAK-102投与前14日以内に、放射線療法を受けた患者。12. 白血球アフェレーシス前又は前処置化学療法/TAK-102投与前28日以内に、大手術を受けた患者(カテーテル留置等の小手術を除く)。13. 以前にGPC3分子を標的とした治療法を受けた患者。14. 以前の抗がん剤治療によるグレード2を超える毒性が残存している患者。15.  治験責任医師又は治験分担医師の判断により出血リスクがある患者。16. 中枢神経系(CNS)転移又はその他の重大な神経症状が存在する患者(CNS転移はあるが、必要な部位に有効な治療が行われ、安定している患者は登録可能である)。17. 過去又は現在に肝性脳症と診断された患者。18. ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及び/又はヒトTリンパ好性ウイルス(HTLV)感染の検査結果が陽性である患者。19. 身体所見を認める又はコントロールのために介入(例:穿刺又は投薬)が必要な腹水と定義される、臨床的に重要な腹水のある患者(画像所見から介入が不要な腹水とされた患者は登録可能である)。20. 臓器移植の既往歴がある、又は臓器移植の待機中である患者。21. シクロホスファミド、フルダラビン、ガンシクロビル又はストレプトマイシンを含め、あらゆる薬剤に重度の即時型過敏症を有する患者。22. 違法薬物の使用、薬物乱用、アルコール乱用の自認又はエビデンスがある患者。23. 泌乳中及び授乳中、又は血清妊娠検査が陽性の女性患者(前処置化学療法及びTAK-102投与前には尿妊娠検査が許容されている)。注:泌乳中の女性患者は、TAK-102投与の前に授乳を中止すれば適格とする。

問い合わせ先

実施責任組織 武田薬品工業株式会社
問い合わせ先組織名 武田薬品工業株式会社
部署名・担当者名 臨床試験情報 お問合せ窓口
電話・Email 06-6204-2111

評価&介入

試験の種類 該当無し
介入の目的 治療・ケア
介入の詳細
主要な評価項目・方法 用量制限毒性(DLTs)が認められた被験者の数評価期間:28日間毒性は米国国立がん研究所(NCI)の有害事象共通用語規準 (CTCAE)第5.0版に基づき評価する。DLTとは、治験実施計画書に明記されたあらゆる事象で治験担当医師が治験薬による治療に少なくとも関連する可能性があると判断するもの。
副次的な評価項目・方法 試験固有の修正 RECIST 1.1(ssmRECIST 1.1)を用いた治験担当医師の評価に基づく客観的腫瘍縮小効果評価期間:3年間客観的腫瘍縮小効果はssmRECIST 1.1を用いて治験担当医師により評価される。治療効果基準は次の通り;完全奏効(CR):すべての標的病変の消失。部分奏効(PR):ベースラインの合計最長径(LD)を基準とした場合に、標的病変の合計LDが少なくとも30%減少する。疾患進行(PD):投与開始以降又は1つ以上の新規病変が発現してから記録された中で最小の合計LDを基準とした場合に、標的病変の合計LDが少なくとも20%増加する。疾患安定(SD):投与開始以降最小の合計LDを基準とした場合に、PRの条件を満たす十分な縮小も、PDの条件を満たす十分な増大もない。

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