臨床試験情報

臨床試験ID : JapicCTI-195000
情報提供元 : 一般財団法人日本医薬情報センター
試験名 : 非小細胞肺癌患者を対象とした経口EGFR/HER2 阻害薬TAK-788(AP32788)の安全性、薬物動態及び抗腫瘍活性を検討する第1/2 相試験
試験の概要 : 本治験はNSCLC患者と対象とした経口EGFR/HER2 阻害薬TAK-788の安全性、薬物動態及び抗腫瘍活性、並びにEGFR又はHER2変異を有する固形がん患者を対象としたTAK-788の抗腫瘍活性を検討する第1/2相試験である。本治験は、用量漸増パート(パート1)、拡大パート(パート2)及び延長パート(パート3)の3 つのパートから構成される。なお、日本では延長パートのみ実施する。用量漸増パート(パート1)の目的は、TAK-788 を経口投与したときの安全性プロファイル(最大耐量 [MTD]、用量制限毒性 [DLT] 及び第2 相推奨用量 [RP2D]を含む)、薬物動態プロファイルを明らかにすることである。拡大パートの主目的は、組織学的及び分子生物学的に定義された7つのコホートにおけるTAK-788 のRP2D(本治験の用量漸増パートで決定)を投与したときの抗腫瘍活性を検討することである。延長パートの7つのコホートは以下の通りである:1. EGFR のエクソン20 挿入変異を有し、EGFR TKI による治療を受けていない、又はEGFR TKI による客観的奏効を達成したことがない、測定可能又は活動性のCNS転移が認められないNSCLC 患者2. HER2 のエクソン20 挿入変異又は点変異を有し、測定可能又は活動性のCNS 転移が認められないNSCLC 患者3. EGFR のエクソン20 挿入変異又はHER2 のエクソン20 挿入変異若しくは点変異を有し、測定可能又は活動性のCNS 転移が認められるNSCLC 患者4. TAK-788 に感受性を示すその他の標的〔例:EGFR のエクソン19 欠失若しくはエクソン21 置換(T790M変異の有無は問わない)、又はその他の低頻度活性型変異〕を有する、CNS転移が認められないNSCLC 患者5. EGFR のエクソン20 挿入変異を有し、過去にEGFR TKI により客観的奏効を達成し、その後病勢進行した、CNS転移が認められないNSCLC 患者6. EGFR のエクソン20 挿入変異を有し、過去に局所進行病変又は転移性病変に対して全身性抗悪性腫瘍治療を行っていない、CNS転移が認められないNSCLC 患者7. TAK-788 に感受性を示すEGFR/HER2 変異を有し、CNS転移が認められないNSCLC 以外の固形がん患者延長パートは、EGFR のエクソン20 挿入変異を有し、治療歴がある局所進行性又は転移性NSCLC 患者にTAK-788を投与したときの有効性を検討する。本治験には324例の患者が登録された。

基本情報       患者さん一人一人の状況に応じた判断が必要ですので、詳しくは診療を担当している医師にご相談ください

対象疾患名 非小細胞肺癌
試験のホームページURL

実施施設&進捗状況

試験実施施設 69施設
試験のフェーズ 第Ⅱ相
試験進捗状況 実施中
公開日・最終情報更新日 2022/04/06

試験に参加できる条件

年齢・性別 問わない 男女両方
選択基準 全パート(用量漸増パート及び拡大パート)共通の選択基準:1. 組織学的又は細胞学的に局所進行性(根治治療が適応とならないもの)又は転移性NSCLC(ステージIIIB 又はIV)、又はその他の固形腫瘍と確定診断された者。拡大パートのコホート7 を除くすべてのコホートでは、局所進行性又は転移性のNSCLC とする。拡大パートのコホート7 では、NSCLC を除く局所進行性又は転移性のあらゆる固形腫瘍とする。2. 解析用の腫瘍組織が十分に確保できる者。3. 固形がんの治療効果判定規準(RECIST)第1.1 版に基づく測定可能(標的)病変を有する者。4. 成人(18 歳以上又は治験実施国の規制に従う)の男性又は女性。5. Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performance status のスコアが0 又は1の者。6. 3 ヵ月以上の余命が期待できる者。7. 臓器機能の基準を満たす者。8. スクリーニング時の心電図のQT 間隔が正常である者(Fridericia 法による補正QT 間隔 [QTcF] が男性は450 ms 以下、女性は470 ms 以下)。9. 計画された来院日及び治験手順に従う意思及び能力のある者。パート1:用量漸増パートの選択基準:1. 標準治療に抵抗性を示す者。パート2:拡大パート コホート1の選択基準:1. EGFR のエクソン20 インフレーム挿入変異の検査記録を有する者。2. 局所進行性又は転移性病変に対し、1 レジメン以上の全身療法の治療歴を有する者。3. EGFR TKI の治療歴を有する場合は、EGFR TKI による治療中に客観的奏効を達成しておらず、かつ病勢が進行したと治験責任医師又は主治医により判断されていれば組入れ可とする。拡大パート コホート2の選択基準:1. 以下のいずれかの検査記録を有する者。a. HER2 のエクソン20 挿入変異b. HER2 の点変異2. 局所進行性又は転移性病変に対し、1 レジメン以上の全身療法の治療歴を有する者。3. pan-HER TKI(例:アファチニブ、neratinib、ダコミチニブ)の治療歴を有する場合は、pan-HER TKI による治療中に客観的奏効を達成しておらず、かつ病勢が進行したと治験責任医師又は主治医により判断されていれば組入れ可とする。パート2:拡大パート コホート3の選択基準:1. 以下のいずれかの検査記録を有する者。a. EGFR のエクソン20 挿入変異b. HER2 のエクソン20 挿入変異c. HER2 の点変異2. 局所進行性又は転移性病変に対し、1 レジメン以上の全身療法の治療歴を有する者。3. EGFR のエクソン20 挿入変異を有する者で、EGFR TKI の治療歴を有する場合は、EGFR TKI による治療中に客観的奏効を達成しておらず、かつ病勢が進行したと治験責任医師又は主治医により判断されていれば組入れ可とする。4. HER2 のエクソン20 挿入変異又はHER2 の点変異を有する者で、pan-HER TKI(例:アファチニブ、neratinib、ダコミチニブ)の治療歴を有する場合は、pan-HER TKI による治療中に客観的奏効を達成しておらず、かつ病勢が進行したと治験責任医師又は主治医により判断されていれば組入れ可とする。5. 未治療の頭蓋内CNS 転移を有する者、又は頭蓋内CNS 転移に対する治療歴を有し、画像検査によりCNS の新病変若しくは病勢進行中の病変が確認された者。6. 測定可能(標的)頭蓋内CNS 病変〔磁気共鳴画像法(MRI)で最大径が10 mm 以上〕を1 つ以上有する者。パート2:拡大パート コホート4の選択基準:1. 以下のいずれかの検査記録を有する者。EGFR の活性型変異〔エクソン19 の欠失、エクソン21 のL858R 置換を含む(T790M の有無を問わない)〕、又はEGFR のエクソン20 挿入変異以外の低頻度活性型変異(G719X*、S768I、L861Q、L861R を含むが、これらに限定されない)。* X はその他のアミノ酸2. 局所進行性又は転移性病変に対する治療歴がない者、又は局所進行性又は転移性病変に対し、1 レジメン以上の全身療法の治療歴がある者。パート2:拡大パート コホート5の選択基準:EGFRのエクソン20 挿入変異を有し、過去にEGFR TKI により客観的奏効を達成し、その後病勢進行した、CNS転移が認められないNSCLC患者1. EGFR のエクソン20 インフレーム挿入変異の検査記録を有する者。2. 局所進行性又は転移性病変に対し、1 レジメン以上の全身療法の治療歴を有する者。3. 過去にEGFR TKI により客観的奏効を達成し、その後病勢が進行したと治験責任医師又は主治医により判断された者。パート2:拡大パート コホート6の選択基準:EGFRのエクソン20 挿入変異を有し、過去に局所進行病変又は転移性病変に対して全身性抗悪性腫瘍治療を行っていない、CNS転移が認められないNSCLC 患者1. EGFR のエクソン20 インフレーム挿入変異の検査記録を有する者。2. 局所進行性又は転移性病変に対する全身療法の治療歴がない者。パート2:拡大パート コホート7の選択基準:TAK-788 に感受性を示すEGFR/HER2
除外基準 1. 過去にTAK-788 の投与を受けたことがある者。2. 治験薬の初回投与前14 日以内に抗腫瘍低分子化合物による治療(細胞毒性化学療法及び他の治験薬を含む)を受けた者〔ただし、可逆的EGFR TKI(エルロチニブ又はゲフィチニブ)の投与は、治験薬初回投与の7 日前までは可とする〕。3. 治験薬の初回投与前28 日以内に抗腫瘍モノクローナル抗体による治療(免疫療法を含む)を受けた者。4. NSCLC 以外の原発性悪性腫瘍診断を受けた者。ただし、適切な治療が行われた非黒色腫皮膚癌若しくは子宮頚部上皮内癌、又は根治的な治療が行われた非転移性前立腺癌を除く。また、NSCLC 以外の原発性悪性腫瘍診断を受けた者で、明らかに再発しておらず、その原発性悪性腫瘍診断を受けてから3 年以上が経過している場合を除く。注:本除外基準は拡大パートのコホート7 では適用外とする。5. 治験薬の初回投与前14 日以内に放射線療法を受けた者、又は放射線療法に関連した毒性が消失していない者。ただし、胸部及び頭部以外への緩和的放射線療法、定位手術的照射(SRS)、体幹部定位放射線治療は、治験薬初回投与の7日前までは可とする。6. 治験薬の初回投与前10日以内に中等度若しくは強力なCYP3A 阻害薬又は中等度若しくは強力なCYP3A 誘導薬の投与を受けた者。7. 治験薬の初回投与前28 日以内に大手術を受けた者。ただし、軽度の外科的処置(カテーテル留置、侵襲の少ない生検等)は可とする。8. (用量漸増パート及び拡大パートのコホート1〜3の被験者のみ)スクリーニング時に症候性CNS 転移を有する者。又は無症候性疾患で、そのコントロールのため治験薬の初回投与前7 日以内にステロイド投与を要する者。(延長パート及び拡大パートのコホート4〜7の被験者のみ)活動性の脳転移が認められる者(未治療の頭蓋内CNS転移を有する者、又は頭蓋内CNS転移に対する治療歴を有し、画像検査によりCNSの新病変若しくは病勢進行中の病変が確認された者)。脳転移は、手術又は放射線療法を受け、治験薬初回投与前7日間は神経学的に安定した状態(ステロイド又は抗痙攣薬による治療を必要としない)にする必要がある。新たな脳転移又は脳転移の拡大がみられてはならない。9. 症候性若しくは無症候性の脊髄圧迫(放射線画像により確認されたもの)、又は症候性若しくは無症候性の軟膜疾患を有する者。10. 重大で、コントロール不良又は活動性の心疾患を有する者。11. コントロール不良な高血圧の既往歴を有する者。高血圧を有する患者は組入れ時に降圧療法を受けなければならない。12. QTcF 間隔延長作用を有する、又はトルサード ド ポアン発現に関連することが知られている薬剤の投与を受けている者。13. 進行中若しくは活動性の感染症(抗生物質の静脈内投与を要する)を有する者。又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B 型肝炎ウイルス(HBV)若しくはC型肝炎ウイルス(HCV)感染の既往歴を有する者(これらの既往歴がない場合、検査は不要である)。14. 間質性肺疾患、ステロイド治療を要する放射線肺臓炎、又は薬剤性肺臓炎の既往歴又は合併症を有する者。15. 授乳中の女性、又はスクリーニング期間中に尿妊娠検査若しくは血清妊娠検査が陽性の女性。注:授乳中の女性が授乳を中断する場合は組入れ可とする。16. TAK-788 の経口吸収に影響を及ぼす可能性のある胃腸疾患又は障害を有する者。17. 治験責任医師又は治験分担医師により、患者の安全性を脅かす又はTAK-788 の評価を妨げる可能性のある状態又は疾患を有すると判断された者。

問い合わせ先

実施責任組織 武田薬品工業株式会社
問い合わせ先組織名 武田薬品工業株式会社
部署名・担当者名 臨床試験情報 お問合せ窓口
電話・Email 06-6204-2111

評価&介入

試験の種類 該当無し
介入の目的 治療・ケア
介入の詳細
主要な評価項目・方法 パート1 用量漸増パート:TAK-788 を経口投与したときのRP2D評価期間:サイクル1(1サイクル28日間とする)
副次的な評価項目・方法 パート1 用量漸増パート:TAK-788のDLT及びMTD評価期間:サイクル1(1サイクル28日間とする)

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